大まかなあらすじだけ聞いて気になっていましたが、ようやく観られました。
お、面白かった~~~~!
語りたいこと、自己満足でつらつらと、参ります。長いよ。
概ね高評価ですが、少々、ツッコミも入ります。愛ゆえ、お許しを。
※ドンピシャなネタバレはなるべく避けますが、完全回避は無理なので、お気を付けて。
すべてを合理化する大前提
「ここは少女漫画の世界です」
という大前提が、「現実味がない」部分の全てを補ってくれるので、何でも好きなように動かせるという、作り手には最高のフィールドを展開している。
やたらキャラ立ちしたクラスメイトたちも、
てんこ盛り盛りなセレブ校も、
「制服」の語で辞書引けと言いたくなる制服や運動着も、
無法地帯の体育祭(と呼んでいいのかあれは)も、
生まれつき弱かった心臓が突然完治するのも、
ぜーんぶアリ!だってここは、少女漫画の世界だから!
これは正に、設定勝ち。最強。
(一生ファミチキにしか見えなかった、テニスウェア。でも顔が良いし、少女漫画だから、OK)
2人の「ヒロイン」
エントリーNo.1 ウン・ダノ
正直、「私ってば、少女漫画のヒロインなのー?!」と言っていた序盤、「…そういうタイプの顔か…?」と思っていたけれど、
実は端役でしたという早々のオチに納得。
うん、ヒロイン顔ではないよね(悪口じゃないよ)。
キムヘユンさん自身は、顔の筋肉かなり動くし、口も回るし、ちょっとハスキーな声も相まって、ラブコメに適任だなという印象。
ただ、「今後のラブコメを担う!」と呼ぶには、ヒロイン力が、ちと弱いかな。
童顔なので、高校生役が合いすぎてるけれど、実際はもう立派な大人だし、
これからぐっと垢抜けて素敵なヒロインになることを期待。
これだけちょっと、申し訳ないんだけれど、
ラブラブモードになってからが、究極的にうざい。
10秒スキップしようかと思うくらいにはキツかった。ごめん。
(まあこれは、彼女のせいではなくて演出のせいだし、韓ドラ全体に言えることでもある)
対する、ヨ・ジュダ。
んも〜〜〜絵に描いたような「ヒロイン」の風格。見て、↑このキラキラオーラ!!!
もちろんお顔もだけど、いじめっ子を見る目の感じ(上手く言えない)とか、ぽつんとしつつも内からじわりと光るオーラとか。
ハルダノ組とはあまり関係のないところで動いていたけれど、
それはそれで上手く見せて、本筋を邪魔していなかったし、
彼女自身もしっかり魅力的に見せてくれていたので、構成が上手いなと思った。
ただ、キャラクターの描き方としては、
せっかくダノたちが物語をしっちゃかめっちゃかしているのだから、
彼女とオ・ナムジュは、性格や恋心を最後まで貫き通す役割でも良かったんじゃないかな、と思ったりもする。
魅力的すぎるメインヒーロー
はじめまして、ロウンくん!君が噂のロウンくんだね!
ウーン、
顔がいい!!!!!!!
スタイルに関しては、散々方々から言われているので、もう何も言うm
でっっっっっっっっっっか。
(巨人サンドめっちゃオモロイ、ダノちゃん首痛めそう)
「名無しのモブなのにこんなイケメンなの?」な下りあったけれど、
それも、「少女漫画だし」の一言で解消されるので、何もおかしくはない。
やっぱりこの設定、強い。
聞きたいんだけれど、
この作品最後まで楽しんで観た人で、ハルを好きにならない人っているの?
というレベルで好き。
というか、好きになる要素しかなくないか。
何だ、この可愛い生き物は。キャラクターが魅力的すぎる。
個人的に、タッパがあって、普段ぽやぽやしてて、いつでもまず微笑んでくれて、すべき時にはちゃんと喧嘩もできるワンコって、
もう好きでしかないので、ハルは特盛パフェでした。癒やしをありがとう。
ロウンくん自身の演技力がどうと言うよりかは、
雰囲気がキャラクターによく合ってたし、ちゃんと「ハル」だった。
メインヒーローなのに、1,2話辺りではまともにシルエットすら映らず、
5話まで口を利かないし表情もそう変わらない。
でも、その第一声を期待させるだけの、佇まい・表情での見せ方をしていたと思う。
でなけりゃ自分も、6話ラストで、「しゃ、しゃべった〜〜〜〜!!!!!」と叫ぶことはなかっただろう。
「13番」から「ハル」になって、仲良くなって、からのスキンシップがまたとんでもなく可愛い。
個人的優勝は、11話のリュック引っ張ってからの「안녕」です。
(調べたら1分耐久動画が出てきた、オモロ)
キスシーンより良かった。やめろやめろ死人が出る。ありがとう。
ペク・ギョンという「人」
いやぁ、久々に見たな、こういう、
「男」以前に「人間」としてあまりにも苦しすぎる2番手。
正直、共感はしない。
ダノに、「ギョンを選んでやれよ~!」とは思わない。
いくら彼が苦しさ故に曲がった接し方しかできなかったからと言って、ダノが受け続けた苦しみも、また事実だから。
言ってしまえば、ギョンが「2番手」になってしまったのは、自業自得である。
だからこそ、余計苦しい。
おそらくギョンの心はずっと、本人も無自覚な領域で、誰かに救ってほしいと泣いていたのだろう。
その「誰か」の適任となるポジションにいたのが、ダノ。しかも、「幼なじみ」と「婚約者」のダブルコンボ。
だから、本来なら、彼女にその役を背負わせたかった。
けれど、ダノにはその役は重すぎた。
たぶん、それだけのこと。
まだ18歳で、世間知らずのお嬢様。身体のせいで人より出来ることも少なく、特段頭が良いとか思慮深いわけでもない彼女に、その任を受け止めるだけの器は、この物語の時点ではなかったのだ。
相手役(であるはず)のダノ、ライバルのハル、その周りの人間たちが、自我を獲得して、どんどん物語の内と外でキャラクターが乖離していくのに反して、
彼だけが、どんどん近付いていっている。
『秘密』の作者が描こうと思った、これまで彼が不本意に「やらされていた」、「ペク・ギョン」というキャラクターに、近付いていってしまっている。
そうなってしまえば、もうダノとの未来はあり得ないわけで。
つくづく、残酷だなぁと思った。
大学に進んで、2,3年上の先輩とかと恋ができたら、いい方向に進むかもしれないね。
きっとその人と、弟くんが、「誰か」を分担して、
彼に「幸せ」を与えてくれるのだろうと思う。
物語を通して、彼には、それを掴むだけの度量は備わったと思う。
幸せを「与える側」としての能力・気質は、十分に持っている子だから。
幸せになれ、ギョンア。
ネオ「韓ドラあるある」
「韓ドラあるある」のトップ5に入ってもよかろう、
「前世/過去の因縁」と「記憶喪失」。
これを当たり前の顔して取り入れつつ、
前世 → 前作
記憶喪失 → 自我の喪失
に転換していたのは上手かった。
この作品だからこそ出来た妙技だと思う。
残念だったのは、若手勢の絶望的な扮装の似合わなさ。特に、ダノ、ギョン。ハルは、ウーン、まあまあ。
ベテランのパパママ勢が流石の風格・演技(特に、ナムジュママ)だったが故に、余計気になってしまう。
(ま、こういう作品に挟まれがちな、「なんちゃって時代劇」であることは、承知しているのだけれど)
その前作思い出し関連で、中盤(20話辺りかな?)ちょっとダレちゃったかな。
ここまで分割して見せんでも、
いっそ、1,2話分くらい、丸々過去編にしても良かったんじゃないかと思ったりもした。
イ・ドファ vs オ・ナムジュ
序盤の、「ドファの片思いために物語を変えよう!」という流れに、イマイチ乗り切れなかった。
あの時点で、彼には、ジュダを「想う」権利は十分にあっても、「略奪」する権利は全くなかった。
それは、ジュダが彼を丸っきり友達としか思っていない上に、
ライバルであるオ・ナムジュは、「ただジュダを好きなだけ」だったからだ。
もしナムジュがもっと嫌なヤツで、
ステージ上ではジュダに惚れ込んでいるのに、実はシャドウで取り巻きたちにいじめを指示していた、とかだったら、「行けドファ!殺せ!!!!!」と言えただろう。
でも、そうじゃなかった。
ナムジュは、某明寺よろしく、元の性格はアレだが、
ジュダへの思いはかなりピュアでまっすぐで、本物だった。
だからこそ、正々堂々ではなく、彼を蹴落とすような手口で、ジュダを奪い去ろうと考える3人のノリに、イマイチ着いていけなかったのだ。
「ん~なーんか違う気がするんだよなぁ…でもまあ、高校生だしねぇ」と思っていた。
のだけれど。
偉い!!!!!!偉すぎるぞ、ドファヤ!!!!!!!!!!!
お前、ホントにいいヤツだな!!!!!!!!!!!
「あれは良くなかった」と、ちゃんと反省して、
しかも正面からきっちりナムジュに謝ってくれて、視聴者としてはかなりすっきりしたし、
ドファをもっと好きになった。お前やっぱ最高だ。
そして、その謝罪をちゃんと受け取った上で、
正々堂々、自分の恋心ともドファとも闘い続けるナムジュ。
お前もやっぱ最高だ!!!!!!!!!
常に正面勝負しか選択肢にないし、絵に描いたようなまっすぐすぎる不器用さで突き進んでいくし、
ちょっと難のある性格でも、見ていて、どこかそれを許してしまう気持ちにさせられる。
ドファも言っていた通り、物語の外でも中でも、別格の「主人公」だった。
メインメンバーがどんどこ自我を獲得していく中、彼だけは最後まで「キャラクター」を良い方向で貫いていて、
この物語のアンチテーゼ的存在としても、とても良かった。
ちょっと惜しかったのは、
ナムジュママ vs ヨ・ジュダの構図がいまいちぼやっとしていたせいで、そこに興味を惹かれなかったことかな。
(まあそこは、ハルダノ組の本筋とは本当に無関係だし、言うたらナムジュはメインストーリーからはがっつり外れた存在なので、別に詳しく描く必要もないんだけど)
シン・セミの二面性
個人的に、この作品の内包するメッセージは、
「人は、誰しも主人公である」
「ほんの少しの行動で、物語(=人生)は変えられる」
ともう1つ、
「人の善し悪しは、見る角度によって変わる」
というのもあると思って、それを体現しているのが、シン・セミだと思った。
おそらく、『秘密』の作者が与えた彼女の設定は、
「主人公(ヨ・ジュダ)をいじめる、オ・ナムジュの取り巻き」
なのだろう。
つまりは、作品における「悪役」だ。
でも、作品のエキストラであるダノにとっては、大事な親友。
常に明るくて向上心があって、おしゃれにも余念がないし、ダノの不毛な片思いもずっと応援し続けてくれていた上、余計な手出しはしないし、見守る役に徹してくれていた。
それをまた、演じる彼女がものすごく上手に、裏の意図とかいう余計なものを一切感じさせず、
いじめっ子の顔も大親友の顔も、
二重人格にならないギリギリのラインで見せてくれていたからこそ、良かった。
確かに、いじめっ子としては「悪」なんだけれど、
本当にこの子が嫌いでたまらないっていう視聴者はいないんじゃないかな。
現実世界でも、一方ではいじめという非道いことをしながら、
友人間では「いいヤツ」で通ってる人間は少なからずいるだろう。
それが面白くもあり、恐ろしいところでもあるなぁと感じさせられた。
そんな秀逸な存在だった。
あと単純に、彼女のファッションがいちいち可愛くて魅力的で、笑った顔もとってもチャーミングだし、癒やされた。
「光」での魅せ方
(今作に限らず、韓ドラ全体の話なのだけれど)
韓ドラの醍醐味の1つは、光の使い方だと、個人的に思う。
今作は、それをまた一段と感じさせてくれる、美しいカットがいっぱいあって、それがまた、作品の良さに加担していたと感じる。
ダノを助けてくれた「背中くん」の逆光、
やっと顔を見られたというダノの喜びを反映するような、雨粒に反射した光、
まだ「13番」でしかないおぼろげな表情を際立たせる、靄のような光、
「ハル」という名前を与えられた、その心に灯ったような温かなホタルの光。
などなど、挙げればキリがない。
もちろん、学校生活を送る、平凡な昼間の光も温かくて綺麗だし、
あの「星空」なんて正に、光を使った最高のシーンだった。
明るさだけでなく、
時に、本当にシルエットしか見えないくらいのがっつりな逆光にしたり、
リアルな夜の闇、不気味さ、何が起きるかわからない不穏さを見せてくれる、マジで真っ暗な夜のシーンといった、
「暗さ」での光の使い方も、秀逸だと思う。
ちょっと惜しいラスト
これ。
これが~~~~~~惜しかった~~~~~。面白かっただけに。
※以降、割りと強めのネタバレに抵触します。お気を付けて。
率直な疑問なのだけれど、
結局あれは、作者の新作の世界ってこと…?
クラスメイトたちが、揃いも揃って、まるで真逆みたいなキャラクターで出て来るもんだから、
てっきり「現実世界」なのかと思って、
「ああ!作者ってあなただったのね!
この現実の友人たちをモデルに、真逆の性格にして出すなんて、ヤバめの陰キャみtてことは、現実にも“彼”が現れてハッピーエンドなのね!」
なーんて思ったりしてたんだけれど。
あのブラックホール出て来たところで、
「アレ????????????????」
した。
一応確認なんですけれど、我々が生きる地球上でのブラックホールの存在って、まだ確実な観測はされてませんよね…?
じゃあ、現実ちゃうな!
……ちゃうんか…そうか…。
ウーン………じゃあ、何????
作者の新作(『秘密』後、何作目かはわからないけれど)で、
ハルとダノが、ようやくお互いに都合のいい「設定」をもらえて、ってこと…?
ウーン、考えれば考えるほどわからん。
あまり説明臭いことはしゃべらせず、「ご想像にお任せします」系ラストにしたかったのかなという制作の意図は、それなりに読めるし、気持ちもわかるんだけれど、
それにしても説明が少なすぎて。
想像しようにも、どの線でも行き詰るのだが。
自分がバカすぎるだけだったら、ごめん。
…ま、いっか!
というわけで、
韓ドラかなり久しぶりだったのですが、どどどっぷり浸りました。一気見しました。
楽しい時間をありがとう、オハル。
(このポスター画像、めっちゃ好き~!色彩が最高で可愛い~!)
次は何観ようかな~。