日常/非日常

びっくりするほど雑食

アニメ「ゾンビになるまでにしたい100のこと」感想(5話まで)

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展開が気になっちゃうから、よっぽどお気に入りでない限り、ある程度まとめて観ることが多い自分が、今季唯一、毎週追うように観ています。吸死以来です。

何となく観始めた1話でしたが、しっかり魅了されてしまいました…!

 

まだ全体の半分行ってないくらいですが、一度思いの丈を、だらだら語らせていただきます。

 

※ネタバレと言うほどのネタバレはありませんが、本編の部分的なところにも触れますので、ご覧になっていない方はお気を付けて。

 

 

 

強烈すぎるブラック

2次元3次元問わず、ブラック企業の描写が多い昨今だけれど、負けず劣らずの鬼畜っぷり

どちらかと言うと可愛らしい、それこそ、日曜5時に合う系統のキャラデザなのに、子供に見せてエエんかと心配するほどの、超ド級の鬼畜でした。

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(本気で広告会社(だったよね?)勤めたいと思っていた子のメンタルが心配。ま、いねぇか)

明るくて前向きでド根性で、どんな逆境も吹き飛ばしそうな「ザ・主人公!」な主人公が、確実にメンタルを削られて、輝きを失っていく様が、観てるだけでなかなかキツい。名前「輝」なのに…。

しかも、これが決して過剰表現ではないらしい=一部ではリアルにこんな感じだという話も聞くから、恐怖。(自分はこの業界の者でもないし、知り合いもいないので、SNS上での又聞きですが)

 

しかも、それだけでもキツいのに、好きな女の子が社長の愛人って…。日5だから、“愛人”でぼかされた感じだったけれど、えっと、あの、“不倫”ってこと…だよね…?

「既婚者でした」の5倍キツい。

特に、こういう、倫理的に曲がったことを「しょうがない」「俺には関係ない」で割り切れないタイプであろう輝だから、余計刺さっちゃっただろうなぁ。だからって、「そういうの止めなよ!」って言えるほど(この段階では)図々しい性格でもないし…。

 

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ほんと、改めて考えても、ド直球の「地獄」を見せられたなと、その表現力にもはや感動すらする。

「過剰表現だ」と言われればそうかもしれないけれど、この後の展開を思えば、落差は大きい方が面白いし、何より、「過剰」こそが2次元での創作における醍醐味だと自分は思っているので、導入としてとても良かった。

 

 

唯一無二の「ゾンビモノ」異端児

そんな地上の地獄を生き、「ゾンビが出てきたら、会社行かなくていいのに」なんて言っていた輝の世界に、マジでゾンビが出てきちゃうことで、物語の「起」が炸裂するわけだけれども。

 

これ、本当にすごい。この設定。

何してたらこんな設定思いつくの…?!

(作者が輝と全く同じ経験をしてた、くらいしか思いつかないのだけれど、それはそれで心配になる。幸せであってください)

 

これまで、ゾンビモノと言えば、

「平凡な日常にゾンビが現れて、世の中大パニック!主人公は大事な人を守り抜き、生き残れるのか?!」

が定説だった。

要は、ゾンビモノである以上、世界設定や展開に差はあれど、主軸はほぼ一緒で、カテゴリーとしても「スリラー」や「ホラー」に入れられるのが当たり前だった。画面に映るのは、恐怖に慄く表情、悲鳴、大切な人を失った嗚咽、明日の見えない絶望、などなど。

 

それを、根本から蹴り飛ばすことを始まりとしたのが、本作だった。

 

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いや、見たことないよ、ゾンビが出てきたことで生き生きし出す主人公なんて…!

何がすごいって、彼は純粋に人生の喜びを感じている。

別に彼は、闇堕ちして悪に手を染めて、ゾンビを使って世界を破壊してしまおうと目論んでいるわけではないし、メンタルが限界を迎えてトチ狂って、正常な判断ができなくなっているわけでもない。

彼は本当に、ただただ、ゾンビの現れた世界に、自分の未来を見ている。それも、かなり明るい未来を。

 

音声や脚本での表現も素晴らしかったけれど、画での演出がさすがだった。

それこそ、ゾンビモノって、画面が暗くて彩度が低くて、街に靄みたいなのがかかってるイメージが強いのだけれど、本作はその真逆。

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「ゾンビだ、やったー!」の瞬間に、青々とした空は光り輝くし、身の回りのものや建物、果てにはゾンビそのものまで、原色ほどの鮮やかさで色付けがされている。

(この色使いについては、時間帯故の表現の制限のために、血の代わりで、色とりどりに描かれているのかもしれないけれど、むしろこれでいいと、個人的には思う。輝にはこう見えているのかもしれない、という意味で。

もしこれが深夜放送だったら、容赦なく真っ赤にされているかもしれないけれど、そうなるとちょっとグロの印象が強すぎて、ここまで自分に響かなかったんじゃないかとさえ思う)

 

冒頭からあった、映画のような上下の黒い縁が一気に無くなるのも、輝の視界がぱっと開けたことを表しているかのようだった。

単純に作画が素晴らしいというのも相まって、最近見た中でも屈指の、輝かしいシーンだったと思う。

 

それにしても、

「ゾンビだー!ウワー!どうしよう!死ぬ!!!」

よりも、

「じゃあ会社行かなくていいんじゃん!わーーーーーーい!!!!」

が勝つってさァ…ますますブラック企業というものが恐ろしい。

人間のいちばんの脅威って、やっぱり人間なんだなということを、しみじみと感じさせられました…。

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良質の古川ケンチョ

(※偏ったファン目線入ります)

そもそも、タイトルは聞いていたけれど、あらすじすら読んでいなかった自分が、本作を観ようと思ったきっかけが、古川慎が出るから」だった。

ええ、それはもう。だって好きだもん、古川慎さん。

1話、2話と登場せず、「今回のCV. 古川慎はどんな感じかな〜」と、あえて予習も何もせずに3話に到達した時の感想。

 

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「良質~~~~~」

 

某ロナルドくんのせいお陰で、自分の中に、すっかり脳筋のイメージがついてしまったのだけれど、ロナくんより1.5倍くらいの脳筋だった。

でもロナくんもケンチョも、脳筋なんだけれど、体育会系あるあるの押しつけがましさみたいなのが一切なくて、温かみすらあるから本当に好き。

 

おそらく、作品世界の基準でもイケメンの部類で、性格も良いしそれなりにモテそうなのに、びっくりするぐらい脱ぐ。最近のギャグアニメでも、ここまで脱ぐのあったっけってくらい脱ぐ。

それこそ、ヒステリー集団PTAに目を付けられそうな日5枠なのに、思い切ったなぁ。でも彼の脱ぎシーン描くの、バカバカしくて楽しいだろうなぁとも思ったり。

と言うかむしろ、日5のターゲット層こういうの好きなのでは?小学生男子のヒーローになれそうだぞ、ケンチョ。

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(そのくせ、別に普段から「女の子大好き」ってキャラでもないのに、出会えばしっかりちゃっかりいい思いしてる辺り、やっぱモテるんやな…腹立つわぁ)

 

 

 

現代社会への痛烈なアンチテーゼ

「これ日5でやって大丈夫?」と、毎話毎話心配されているけれど、個人的には、日5だからこそ意味があるように感じる。

より多くの人が観るべき作品だと思うからだ。

 

物語が進む度、何か事件が起きる度、「何て明るい皮肉なんだろう」と感じる。

 

「会社行くくらいなら、ゾンビに喰われた方がマシ」という考えも、

それでも朝になれば、黙って会社へ行くことも、

リスク云々のみで物事をジャッジすることも、

「やるべきこと」の取捨選択に追われ、「やりたいこと」は考えもしないことも、

自尊心から虚勢を張って、後々それが何の役にも立たないことも、

全部、すぐその辺に転がっていそうなことばかりだ。

 

物語は、このすべてをなぎ倒していく。

「やりたいこと全部やる!」

この一言で。

そして、この一言がちゃんと言える、そして実行できる人は、現実にはかなり少ない。

 

もちろん、これは2次元だしアニメだし、

現実にはゾンビなんてしばらく出てこないだろうから、「やりたいこと全部やる」ための条件は、この物語よりかなり多いし厳しい。

ただ、全部とは言わずとも、「やりたいことをちゃんとやる」ことは、誰にだってできるんじゃないだろうか。

 

日曜5時、正に、

「あーあ、週末終わっちゃった~」

「また明日から学校/仕事かぁ、やだなぁ~」

という気持ちが、胸の中で雲のように膨らむ時間帯に、老若男女問わず、

「もっと見方を変えてみたらどうかな!」

と、背中を押してくれる、と同時に、

「どんな時でも、“やりたいこと”を忘れちゃだめだ!」

「誰だって何だってやっていいんだ!」

と、心の支えになってくれるような、そんなアニメだと感じた。

ぶっ飛んだ設定ながら、根底にあることはいたって平凡で現実的だからこそ、いろんな世代の人に見てほしいし、いろんな人が楽しめる作品だと思う。

 

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(防刃スーツの発想、何気にすごいと思った。確かに、サメの刃が防げるなら、人間だってある程度大丈夫だろうな。痛いけど)

 

続きを楽しみに、原作も実写映画も見ずにいるけれど、

物語の明確なゴールがわからないので、次は何が起きるのか全く予想できず、今度は輝がどんな「楽しい」を見せてくれるんだろうと、毎週わくわくしております。

 

 

 

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というわけで、また次の日曜日、6話全力待機中。

右下のブロンドガールの登場が楽しみです!

 

 

ところで。

OPで前回本編が使われていること、5話が飛んでしまったこと、などで、制作現場がかなり心配されているけれど。

個人的には、このクオリティを(ある程度出来上がっているとはいえ)1週間で修正して調整して確認して精査して…ってかなりハードだと思うので、

いっそ全部隔週放送でもいいから(さすがに現実的ではないだろうけれど希望として、ね)、無理なくやってほしい…頑張ってぇ…。

「アスダル年代記」感想(後編)

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では、後編です。

感想というより、2期への展望を、あれこれ好きに喚くだけの場です。

もうあかんのですよ、楽しみすぎて楽しみすぎて。

 

※ネタバレどころか、1期の結末に思いっきり触れます。お気を付けて。

 

 

 

まさかの

そんなわけで、このまま何事もなければ、あと1ヶ月ちょいで2期が始まるわけですけれども。

「いや〜〜面白かったな〜〜!2期めちゃくちゃ楽しみだな〜〜!」

と思って検索したら、まさかの「8年後」。

8年後?!?!?!

ウンソムとタニャ、8年も会えてないの?!?!?!?!

あんなに強く思い合っているのに…と、まず情緒がしんだ。

ウンソム、タニャ、サヤは、1期の時点で20歳だったはずだから、2期は28歳?キャラクター自体の雰囲気も、結構変わりそう。でもウンソムはやっぱり、キラキラ主人公オーラのままでいてほしいな~~。(ウンソム激推しマン)

 

てっきり、18話の直後、ウンソムがアゴ族を率いて、あっちこっちの部族を仲間に入れて、大陸の東側を制覇するまでをやって、最終の3期(3期まで予定されてるって、どっかで見た。どこかは忘れた)で決戦かなと思っていたのだけれど、

もうそこはクリアしたところから始まるってことか。

ちょっと残念、その過程も見てみたかった。

とは言え現実問題、部族全部描ききるのも無理あるし、キャストもトンデモ人数になっちゃうし、アスダルチームが動かしにくくなるよね。

それこそ、『指輪物語』みたいな、ぶっといハードカバー数冊分ぐらいになりそう。

 

 

キャスト変更

もうこれについては、もう決まったことだし、ってかもう撮り終わってるし。良いとかイヤとかは、全然、言うつもりはない。

 

………でも、1回だけ言っていい?今回だけ、もう後は言わないから。いい?

いいよ。ありがと。

 

ンなァ〜〜そっかぁ〜〜ソン・ウンソム・ジュンギさんにはもう会えないのかぁ〜〜〜(滝涙)

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正直、このウンソムが好きすぎて、比較する気は全くないんだけれど、無意識に比較してしまいそうな自分がイヤ…。俺はそんな、昨今のリメイクアニメを、「旧キャストの方が良かったぁ」といつまでも言い続ける厄介ヲタクにはなりたかねぇんだ…!じゃあ観なきゃいいだろうよ!!!!!

まあ、20歳が28歳にもなれば、顔立ちや性格も多少変わるだろうから、子役と同じ感じで考えれば、キャストが変わることそれ自体は、割りとすんなり受け入れられるんだけれど。

ただ、イジュンギさん、お顔立ちから持ち味から、ソンジュンギさんと全くちがうんだよな…。いっそ180度レベルで。どうなるんだろう。

 

何が悲しいって、

あんだけの思いして、あんだけの扱い受けて、それでも歯食いしばって、「お前を助けに行く!」の思いひとつで生き延びたジュンギウンソムとジウォンタニャが再会することはもうないってことがさ…。

あの2人の再会見たかったよぉ…会わせてあげたかったよぉ…。

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ハァ……頭の中で2次創作するかぁ。

 

 

未回収の伏線・謎

k-ricetta.net

↑ 大変参考になりました!

 

1期18話の中でも、これまで観た中でもダントツくらいの勢いで、バシバシ伏線回収してくれたので、「おや?」と思っている部分は、最終的に全部回収してくれそう、と期待しております。

いろいろあるけれど、個人的に気になる部分について。

 

 

サヤを拾った理由

「サヤに特殊能力が」とか「イグトゥが2人揃うと神龍が出てきて願いを叶えてくれる」とか、そういうことはなさそう。

おそらくだけれど、拾った理由そのものは、ただ「イグトゥだったから」なのではないかなと。

そのもっと深い部分、タゴンがサヤに何を望むのかサヤを本心でどう思っているのかが、ほとんど語られていないので、そこが明かされる時が楽しみ。

この先関係性もある程度の変化があるだろうし、それに伴って、独白とか、もしかしたら2人きりの本音トーク回があるかもしれない。

 

この2人は、もちろん好き合ってはいないんだけれど、「嫌い」「憎い」というのも少し違って、お互いにお互いを恐れているという感じがする。けれど完全に人間性を否定できない、尊敬や憐憫の情も決して少なくはない

ただ、それだけなら他の父子間でもありそうなんだけれど、最悪なのが、お互いが唯一の同類(しかも被差別種)だから、根っこの部分で強烈に、そして不本意に依存し合っているということ。

あまりにも特殊すぎる、あまりにも歪な関係なので、一筋縄ではいかないだろうし、どう決着するかが気になる。

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そして個人的にもう1つ気になるのが、サヤと、タゴン・テアラの子供との関係性。

8年後なら生まれて結構経ってるし、本人にそれなりの自我が出来上がっているはず。お互いに絶対に思うところはあるだろうから、そこかなり気になる。

もしかしてもしかすると、サヤ vs 実子のお世継ぎ問題勃発する…?!それはそれで面白そう、見たい。

でも俺たちのサヤを、これ以上メンタル面で追い詰めたくはないなぁ…。ウーン、ジレンマ。

 

 

赤い爪

アゴ族の中にぶち込まれた、タゴン側のスパイ。

それが誰かは明かされていたけれど、まだそれらしい仕事はしていないので、2期でかなり動きあるのでは、と期待。

…てことは、8年もスパイ生活してたってこと?8年間、東側の情報筒抜けだったってことなのか…?それなかなか苦境なのでは。頑張れ、ウンソマ…!

 

ところで、なんで「赤い爪」なんだろ。

「黒い舌」は舌黒かったけれど、あの人の爪、赤くなかったよね?何か意味があるのかな。

 

 

個人的にはかなり大きなポイントなのではないかと思う。

実際に、青銅から鉄への移行は、中学の歴史でも習うレベルの重要な人類のターニングポイントなので、人類史をしっかり踏んでいる本作なら、適当に扱うことはないと思う。

おそらく、このままタニャパパがやり遂げてくれるはず。

戦況にもかなり影響するだろうし、アスダル軍の大きな力になりそう。東勢力の主力が何なのか(一応刃物はあるけれど、へ族はいないし、石製か?)がわからないけれど、大丈夫か…?!

 

 

ダンビョク

てっきり死んだものと思っていたけれど、そう言えば、はっきりと“死んだ”描写がない。

というか、「まだ生きている」ことを示す場面がわざわざあったので、何らかの形でカムバックするのでは…?!

もし再登場したとして、東側につくことはまずないだろうけれど、大人しくタゴンの下につくだろうか。第3勢力になる可能性も、無きにしもあらず。ただ、上に立つことへの執着はあまり無さそうな人だったから、確信は全然ない。

「子供だけど族長」という特殊性をもっている以上、ダンビョク娘も、成長した姿で再登場するかなぁと予想。

 

 

ヤンチャ

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いっそ、現状いちばんの謎人物なのでは?

ずーっとマスクしてるししゃべらないし、タゴンがイグトゥだと知ってるのに生きてるし、そんなタゴンから直接タニャの護衛に任命されるし…。

かと言って、タゴンに対してものすごい忠誠心があるのかと考えてみても、(何となくだけれど)そこまでではなさそう。しゃべらないけれど独白があったということは、つまり、自分の考えをある程度もっていて、ただ命令通りにやる、だけの機械人間ではないのではと考えている。

もしかして彼もイグトゥ?とか考えもしたけれど、血は赤だった。舌も黒じゃなかったので、そちらもハズレ。

ウーン、何者…?

まあ個人的な好みとしては、そういう「雰囲気は怪しいけれど、裏切るでもどんでん返しするでもない、結局最後までよくわからんヤツ」が1人くらいいてもいいと思うので、彼のすべてが開示されなくても、そこまでがっかりはしない気がする。

 

調べてみると、ヤンチャ✕タニャとかいう、ウンソムが聞いたら脳みその血管ブチ切れて爆速でアスダルに戻って来そうなカップリングのファンが、一定数いるみたい。

護衛と主人だもんな〜〜そら刺さるわ。

でも確かに、第3の男とまではいかなくとも、一緒にいる内に感化されて、仲良くなれるかもしれない。そうしたら、タニャにはかなり強力な剣になってくれると思うので、自分も2人が仲良くなってくれたらうれしいなぁ。

 

 

勝手な結末予想

予想というか、ほぼ確定(むしろ、そうならんでどうする)な部分もあるけれど、一応、個人的な予想。思いつく範囲で。

 

※登場が確定していないキャラクター(=俳優の続投/変更も不明)もありますが、物語上の役割として、出てくるだろうなぁという、個人的な予想だけで挙げていきます。

 

ウンソム

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やっぱり、アスダルの王。で、タニャが王妃かな。

アルクに帰るってのもアリだけれど、ワハンの皆さん然り、あれだけの文明を体感してしまったら、なかなか、完全に戻ろうってわけにはいかないだろうな。

でも政務の合間に、2人で馬で自然の中を走り回るとかはしてほしい。泣く。

 

カンモル(ドウリ)にも乗ったし、天符印の剣=アラムン・ヘスラの再臨も、ウンソムで間違いないでしょう。

今はタゴンってことになっているけれど、ちゃんと神託を受けた場面が描かれていないので、タニャに言わせただけで、本物ではないかと。

ただ、そうなると、イナイシンギの称号はどこかで外して、誰かに渡さないと…。順当に考えればサヤだけれど、サヤとアゴ族って、ビジュアル的にも全くしっくり来ないなぁ。

 

 

サヤ

これが、2択で、どちらもそれなりにあり得ると思っている。

 

予想1. ウンソムの右腕になる

役職で言うと、宰相的な。

天符印の剣・鈴・鏡が3人揃えば無敵だと思う。というか、仲良く一緒にいてほしい。いてくれたら喜びで泣く。

 

予想2. 死ぬ

これが〜〜〜あながち無いとも言い切れない…。

サヤって、ロマンス面ではがっつり2番手役じゃないですか。2番手って死ぬじゃないですか。そういうことです。

タニャへの激重矢印を、良い形で断ち切ることができればとは思うのだけれど、できても、それと同時に死にそうで怖い。

かと言って他の子とくっつくってのも想像しづらいし…あ、チェウンはアリかも…?

あまりにもメンタル面で不憫すぎる子なので、どうにか生き延びて幸せになってほしい。…のだけれど、死ぬならそれはそれで劇的なシーンになりそうだなと、見てみたい気も…する。

(ところで、この先、ウンソムとサヤが対面することってあるのだろうか?2期以降も、変わらず1人2役だと思うのだけれど、そこんところどうするんだろう…まさかまさかの、対峙せずに、死に顔でやっと会えるとか…?止めてくれ、こっちの情緒が死ぬ)

 

 

タゴン・テアラ

最終局面でウンソムに負けて、一緒に死ぬ。もしくは、2人で大陸を出て、遠くで幸せに暮らす。

ウンソムと共存は出来ないと思う。

前述の通り、もう子供がだいぶ大きいと思うので、結構メインどころで出てくるのではないかなと。そこめちゃくちゃ楽しみ。

 

 

イプセン・ダルセ・バドル

生き延びてくれ!!!!!!(願望)

特にダルセ

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アルクにいた頃は、ちょっとヤな感じの幼なじみポジだったけれど、もう十分その負い目は濯がれたと思うので、ウンソムと一緒に、絶対生き延びて幸せを掴んでほしい。根は良い子なの知ってるもん。

 

 

ムベク

ウンソム側に寝返るかなとも思いつつ、でもタゴンから簡単に離れるほど薄情でもない、みんなの優しい兄貴なので、予想が難しい。

でも戦いの途中で、ウンソムかサヤを庇って死にそう…。やだ。(やだ)

 

 

チェウン

医術の道を進んでいくと思う。(現状、お医者さんキャラが全くいないので、メタ的な意味でも、専門家は1人は必要だと思う)

その中で、サヤと心の距離を縮めてくれたらうれしい。タニャへの激重矢印を、良い形で断ち切るための、唯一の相手になってくれる気がする。

 

 

ヌンビョル

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「この力で父さん母さんの敵を取る!」と明言していたので、そのまま突き進んでくれそう。

ネアンタル2人と一緒に、ウンソム軍と合流するかな?

(ちらっと見たのだけれど、キャスト変わっちゃうの…?ヌンビョルは、1人だけお顔が全くちがうことにかなり意味があると思うのだけれど…。あと単純に、エレーナさん超美しかったから残念)

 

 

ムンテ

言い分はわからなくもないのだけれど、あの状況下で、ちょっと自分勝手すぎやしないかと感じられて、モヤモヤしたキャラクター。

ここぞというところで、ウンソムのために力を振るって、寝返ってくれたらうれしいけれど、視聴者の情緒殺しが得意な韓国ドラマが、そんなぬるいことしてくれるだろうか。

ウンソムと1対1になって、ウンソムにやられちゃうかなーなんて…。絶対ウンソム大泣きするやん…やめたれ…。

 

 

あとは、新キャラもばんばん出てくると思うので、楽しみ。

有名どころだと、EXOのスホさんが特出決まっているとか。

www.google.com

美形はみんなネアンタルにしたい(美しい獣が大好きなヲタク)のだけれど、どこかの族の族長ってのもアリだなぁ、かっこいいなぁ。

 

 


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以上、「2期明日やって」モンスターの長い長い戯言でした。

いやほんと、楽しみすぎてどうしよう。いや別にどうもせんけど。

 

とりあえず、復習も兼ねてもう1周しようかなと思って、飛ばし飛ばし観ているのですが、

採石場への旅路と、「ウンソムが死んだなんて嘘よ!!!!」の部分がとにかく痛々しくて辛くてしんどくて、早く2人に幸せになってもらわないと困るんですけれど、2期は明日やりますか?(A. やらない)

「アスダル年代記」感想(前編)

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まずはじめに、弁明です。

わたくし、今まで観てきた韓国ドラマの中で、この作品がいちばん好きです。

いちばん好きになってしまいました。

いちばんロス引きずりましたし、2期明日やれと毎日思っています。

ので、かなり依怙贔屓レベル高めの偏った感想になるかもしれませんことを、お許しください。

しょーがねぇよ、だって好きなんだもん。

 

※核心的なネタバレは避けますが、完全回避はできませんので、お許しを。

あるキャラクターに関しては、存在とキャスト名だけである意味ネタバレなので、お気を付けて。

 

 

 

韓ドラ界の異端児爆誕

「韓ドラ史上初の“古代”ファンタジーという謳い文句の通り、韓ドラ界隈をざわつかせた意欲作。

どこの国でも、時代劇は数あれど、古代まで遡った作品はそうそうないのでは。

日本で言ったら、弥生時代くらい?置き換えるなら、アスダルが邪馬台国かな。大和王朝よりは昔な感じがする。

どの作品も、とにかく美しいビジュアルで先制攻撃してくるのが韓ドラなので、

主人公もヒロインも、髪ボサボサ、裸足、泥だらけ、傷だらけな画面を観ていて、(特に序盤)何度となく「これ…韓ドラ…?」とわからなくなった。

 

「破格の制作費に対して視聴率が振るわなかった」と、不名誉な烙印が押されてしまった作品だけれど、最後まで観た人で、そこまで悪い評価をしている人はあまり見かけない。

つまり贔屓目少なめにしても、内容自体は、大きな破綻も問題点もなく、結構良かったのだと思う。(※未完というハンデはある)

 

それなのに視聴率が振るわなかった、最大の要因は、この「らしくなさ」だと思う。

普段の韓ドラを見慣れていて、「韓ドラはこういうものだ」という先入観の上で韓ドラが好きな人には、あまり魅力的に感じなかったのだろう。おそらく、そういうファンの方々が求めるものは、この作品の中にはほとんどない。見どころの1つと言っても過言ではない、毎回恒例のOSTも、他の作品と比べてかなり影が薄い。エンディングでちょろっと流れるくらい?

逆に、普段あまり韓ドラを観ていない人には、結構ウケるんじゃないかなと思う。「韓国版Game of Thrones」なんて言われたりもしているし(自分はGOT完全無知なので、その辺の比較はできない)、特に、洋画が好きな人には、結構刺さるかもしれない。

 

あ、1つだけ言わせて!

よくこのドラマ、「用語が多くて難しい~」とか「名前が覚えにくい~」とか、それでリタイアしちゃったって話わんさか聞くけれど、よく見て!

いちいち名前出るから!

いちいち用語説明出るから!

もうほんと、「それはわかったって」レベルで出てくるので、そんなに心配いらんと思う。オリムサニとか、何回出てきたやら。

個人的には、用語難しい系では、かなり親切な方だと思うのだけれど、いかがでせう。

 

 

にじみ出る「韓ドラ」

と、俯瞰で見ると韓ドラっぽくないのだけれど、よくよく見れば、「ザ・韓ドラ」と思わせる要素がたくさん。

 

天涯孤独の主人公

生き別れの双子

覚醒するヒロイン

一切遠慮のない流血と暴力

ジジイどもの権力争い

 

ウーン、これは韓ドラだわ!特に最後!

 

神だの霊能力だの、「あぁ、まだそういうのが直結で影響していた頃なんだなぁ」と思いきや。

めっちゃ政治利用するやん。

平気でウソつくやん。

タゴンルートでの、騙し騙され、出し抜き合う権力争いが、ものの見事にドロッドロ。その大部分を担ってくれるベテランのジジイども名俳優さん方、お見事でした。

そんで、血液もドロッドロ。

いつも思うんだけれど、韓国、日本よりレーティング細かいし厳しいはずなのに、血液量は全く遠慮がないよね。バッシャバッシャ出すよね。

 

「オハル」よろしく、新しいスタイル・世界観の中で、使い倒された「韓ドラあるある」を踏襲していて、上手いなぁと思った。

 

 

ザ・王道主人公

ところで、この作品、何か懐かしい香りしませんでしたか?特に、子供の頃から読書が大好きだった、そこのあなた。

指輪物語』、『デルトラ・クエスト』、『ゲド戦記などなど。

それぞれ内容は全然ちがうけれど、どれも、我々を全く知らない別世界に連れて行ってくれた、懐かしの、ファンタジー冒険物語。

その辺りの香りがしません、この作品…?!

個人的には、胸が苦しくなるほど懐かしかった。

 

キャラクターや世界の設定もあるけれど、いちばんは、何と言っても主人公の「主人公感」でしょう。

 

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いや、眩しい。眩しすぎる。

何だこの、太陽背負って生まれてきましたみたいな。

正に、子供の頃憧れた、「仲間や故郷、世界を守るべく旅立ち、困難にぶつかりながらも成長し、歩みを止めず、仲間を見捨てず、絶対に諦めない、特別な血統をもつ勇敢な主人公」そのもの。

好きです!大好きです!!!

やたら明るい前向き熱血陽キャではないところが、余計に好き。

いろんな韓国ドラマ観てきたけれど、いっちばん大好きな主人公かもしれない。っていうか好き。大好き。

 

それなのに、2話以降、永遠に悲惨な目に遭っていて……もう辛い辛い。

序盤はまだギリギリ、「試練」の範疇だったけれど、崖から落ちた後さぁ…。

助けに行った仲間に裏切られて、

イグトゥだからと奴隷の中でも最下級の扱いをされ、

助けに来たはずの仲間は目の前で自分を恨みながら死に、

採石場でも最底辺…。

待て待て待て待て待て待て。

1人が短期間で受けていい苦難じゃねぇよ、こんなん。

採石場を脱出してからも気が休まらないし、遂には手足縛られて滝壺へぶちこm待てって!!!!!

滝の試練以前に、ここまで生きてる時点で、もうイナイシンギだろ。

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最後の最後で思いっ切りの笑顔が見られてよかった…。

この笑顔、やっとこちらも気が休まったのと、あまりにも可愛すぎるのとで、めっちゃ繰り返し見た。ありがとう、アゴ族のみんな。

 

ソンジュンギさん、この時既に30代ですよね…?え…?17歳とかではなく…?

そりゃ多少の映像補正はあるだろうけれど、それにしたってオーラがキラキラすぎる。曇りなき眼が眩しい。

 

欲を言えば、もっとウンソムルート見たかったな〜〜!

思ったよりタゴンの比重が巨大で、その分ウンソムの分量が少なかったのが、個人的に残念だった。単純に、「ウンソムの大冒険」をもっと味わいたかったなぁ。(タゴンルートも省けないってのはわかってるんだけれどね)

2期は、タゴン率いるアスダルと全面衝突になるんだろうな。楽しみ〜〜!

 

 

激重こじらせ王子

「そう言えば、あん時タゴンが拾った赤ちゃんは?ウンソムの兄ちゃんじゃなかった?」

と思っていたら、まさかの1人2役!これ、放送前はキャスティング公開されてませんでしたよね?サプライズすぎる。(自分が覚えてないだけだったら指差して笑ってください)

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演じ分けが本当にお見事。

しゃべり方や目線、動作、纏う空気が全然ちがうから、ウンソムからサヤの場面に変わった時、「顔は同じなのに別人」という、双子にしかない特殊な感覚を、本当に感じられた。素晴らしかったです。

 

最初はタニャに怯えているように見えたし、常に影薄くて幸薄くて、「なるほど、こっちは弱々優男王子かぁ」と思った。

ら。

思ってた3倍腹黒かった。

テアラとの会話での、あの突然の笑顔、ゾックゾクした。あのシーンすごい好き。

弱々なんてとんでもない、めっちゃ知的腹黒王子だったんだね…。予想の全く逆方向の、ウンソムとは真逆のキャラクターで、俄然惹かれました。

 

彼は…何なんでしょう…。

というのも、正直、彼のゴールが見えない。何が彼の心をいちばん満たしてあげられるのかがわからない。

彼が口にしている目標は、もちろん覚えているし、理解もできる。けれど、君はそれで本当に幸せになれるのか…?

1期の時点で、着々と野望に向けて駒を進めていて、寄り道や横槍はあれど、大枠は望み通りに事が運んでいるはず。なのに、どこか虚しさが見えるというか。

何だか常に、どこか危ういキャラクターだなと思った。

 

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そして、サヤ→タニャのこの矢印の重いこと…!

煽ったり馬鹿にしたり、軽くいじめたりするくせに、自分から離れようとするとめちゃめちゃ縋りついてくる。ツンデレと呼ぶにはちょっと怖いくらい、必死で。

恋愛感情というより、もはや、母親というか、もっと大きい意味での“愛”を求める姿に見える。

タゴンとテアラを「父さん」「母さん」と呼ぶけれど、それって彼にとっては、ただの「呼称」でしかなくて、ずーっと塔の中にいたから、関係性という点でのそれを感じたことなんてないだろうし。

終始、やたら囁くようにしゃべるのが、もしかして、大きな声なんて出す必要がなかったからそうなってしまったのか、と思うと、タニャを連れて行かれて、「タニャヤー!」ってあちこちに叫ぶ姿に、何か、くるものがある。

 

最終回で、遂に“力”を手に入れて、よっしゃやったるでー!とキラッキラの笑顔で雄叫び上げているウンソムに対して、正反対のサヤ。

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「あなたの双子の兄弟が、タニャが求め続けている大事なウンソム」

だと知らされた時の、この顔。真っ赤な目に涙をいっぱい溜めて…。

「僕を騙したな」とタニャに詰め寄った時も、目には涙が浮かんでいた。

あの時、それでもまだタニャを、どこか縋るように信じていたのに、それでまた傷付いて。それでも、サヤにはタニャしかいないんだよなぁ。でも、別にタニャはサヤが嫌いなんじゃなくて、ウンソムが大好きなだけで。悪意なんて一切ないし…。ウーン、辛い。

 

っっっっっていうか、美人すぎん???

ウンソムは健康的な少年感満載だったのに、この美人さは何…?女よりも綺麗な女装すな。ありがとうございます。

 

 

新しい方法で「闘う」ヒロイン

「相続者たち」で「何、この子…?!」と衝撃を受け、「サムマイウェイ」で大好きになった、キムジウォンちゃん。

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紛うことなき美人さんなんだけれど、この、素朴で飾らない感じがすっごく似合う。

少女漫画に出てくる「普通の女の子」って感じ。

現実の我々から見ると、容姿から何から全く普通ではないのだけれど、でもその物語の世界の中で見ると、確かに「普通の女の子」っていう。伝われ~~。

 

2話でいきなり捕まえられてから、サヤと出会うまで、ずーっと縛られて繋がれて、歩かされて引っ張られて、傷だらけの泥だらけで……。

メインヒロインが、そんなことある?!

肉体的にはもちろん、メンタル的にも、撮影大変だったろうな……ワハンの皆さん、本当にお疲れ様です。お陰様で、観ているこちらのメンタルもズタボロでした。

タニャ個人に関しては、特に、ウンソムが処刑されたと聞かされて、独房?での泣き方が…。あんな痛そうに泣くヒロイン、初めて見たかもしれない。本当に「心が痛い」時って、こういう声が出るんだ…と、胸が痛むどころか、握り潰される感覚さえした。

 

近年は、「むしろ主人公を助けるべく闘うヒロイン」が増えつつあり、タニャも例に漏れずそうだったのだけれど。

面白いなと思ったのが、その方法。

肉弾戦とか、何か作戦を立ててお屋敷から抜け出して、採石場まで行く!待っててね、ウンソマ!

じゃなくて。

今この場で、肉体的にも精神的にも最強の「権力」を掴んで、全てを手にして、その力を行使して、絶対的に助けよう、と。

ウンソムの「部下」の話にも通じることですが、こういうところが、ただの古代ファンタジーではなく、タゴンルートの「人類史」と上手く絡まっているなと感じる。

アニメだったら、前者の展開でがっつり冒険物語にしても面白いと思うけれど、それを実写でやっちゃうと「ンなアホな」になっちゃう。現実的に考えて、まず不可能ですからね。

 

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大祭官姿も綺麗~~!

本編は、この姿でも意外とメイクが薄めだったのも、個人的によかった。メイクばっちりのテアラとも対になっている。

すっぴん美人さんだからこそできる技…!

 


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このシーン、今となっては一瞬の幻みたいで、辛くて悲しくて、一生観てる…。でまた勝手に悲しんでる…。

この時キスしとけば良かった、とか、少なからず思ってるかもしれないなと思うと、余計辛い。

あと単純に、このメイク(花冠も込みで)めちゃくちゃ好き。

 

 

愛情で刺し合う2人

タゴン・テアラルートに関しては、ンま〜〜〜韓ドラ!って感じのドロッドロ具合で、いっそ清々しいとすら思った。

愛と憎しみは表裏一体とは、正にこのことだなと。

 

タゴンとテアラも、誰がどう見ても「悲劇の大恋愛」な2人で、ウンソムたちとはまた別方向の激重展開なのだけれど、あまりロマンス面は意識に入ってこなかった印象。

そこよりも、ジジイたち上層部とのバチバチが常に傍らにあって、絶対気が抜けないし、視聴者としても、ずっとヤツらを意識していなきゃいけなかったからかな。

一応そこに、テアラとの関係性も絡んではいるんだけれど、タゴンの最終目標が「テアラのため」では決してないため、「ウンソム/タニャを救うため」だけを念頭に闘い続けている2人と比べて、ロマンス面では弱くなってしまったのかも。

タゴンは、如何せん、その肩にかかるものが大きすぎるので、今後も、「愛のためにすべてを捨てる!」とは、ならないでしょうね。そういうところも、ウンソムとは対にしてあるのかもしれない。

 

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個人的に、テアラが綺麗すぎて綺麗すぎて

眩しい。肌から発光してんじゃないかってくらい、物理的に眩しい。

へ族が派手好きという特徴があるお陰で、テアラやテアラパパが映ると、一気に画面が華やかになる。古代のお話だから、どうしても暗くて地味な画になりがちなのだけれど、そんな中で、良い目の保養だった。

 

 

2つの柱

1期全体で見て、この作品には2つの柱があると感じた。

1つは、前述の通り、ファンタジー冒険物語=ウンソムルート。

もう1つは、人類史=タゴンルート

これが上手く噛み合っているのが、本当にお見事だと思う。

 

ウンソムの「部下」の話然り、タニャの「権力」の話然り。

 

力だの権力だのに執着しなかったウンソムが、なぜ、イナイシンギの称号を掴もうと腹を括ったのか。

それは、絶対的な力(※現代では認められにくいですが、この頃の神性云々の力は偉大なので、“絶対的”としておきます)アゴ族を「部下」にすることで「力」を得ることができるから。「力」を得ることで、彼の至上命題である、「タニャ・ワハンのみんなを助ける」に繋がるから。

ただのファンタジー冒険物語なら、「部下」ではなく「仲間」と呼びそうなところ、現実問題、そういうヤワな関係では、本当の力は得られない。視聴者はそれを、ここまでのタゴンルートで十分に見せつけられてきている。

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タゴンルートでの、裏切り・裏切られのドタバタ愛憎劇(言い方)にも、こういう伏線的な意味合いがあるのかと思うと、いやほんと、制作陣様あっぱれです。

 

あと単純に、「人類がいかに“文明”を発展させてきたのか」が、実にわかりやすく描かれていると思う。

もちろん、史実とは異なるだろうけれど、「それでこの社会構造が生まれたのか」と逐一納得できたし、少なくとも自分は、「そうはならんやろ」展開はなかったと思っている。

 

 

魅力的すぎるサブキャラクターたち

こんっなにわんさか人出てくるのに、みんな個性がしっかりあって、それなりに見せ場とか役割とかはっきりしてて、こちらの印象にも残るって、すごくないですか…?!

ほんと、構想何年かかったんだろう、脚本…。

その中でも、特に印象的だった皆さんについて、少し。

 

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「このお顔、どこかで…」と思ったら、トッケビ」の!委員長!

あの時はミディアムくらい?ちょっと短めの髪で、大人になってからは茶髪だったと思うんだけれど、こっちの方が似合ってるよ~!可愛い!どこぞのアイドルかと思った。

チェウン、いい子すぎて…。ほんと、出会ったのがこの子でよかったね、ウンソマ…!むしろ、彼女との出会いを引き当てたところから、彼の神性は証明されていたのかもしれない。

イグトゥなんて、そもそも存在自体が相当珍しいのに、突然出会ってその反応…?と思ったのだけれど、まさか伏線だったとは。こういうところ、脚本が上手すぎる。すごい。

辛くもどうにか生き残ったけれど、この先どうなるかな。医術の道を進んでいきそうだなぁなんて、勝手に予想。

 

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みんな大好き(だよね)ムベクの兄貴。

アスダルの皆さんは、彼の話をちゃんと聞こう。

なんてナンバー2適正の高い人!今すぐ、タゴンの隣に並ぶべき!と、誰もが思ったであろう、ムベクの兄貴。

当時のお姫様ポジだった(と思ってるけど違うかもしんない)アサ・ホンに対して、みんな酷くない?そんなあっさり過去のものに出来るの?アサ氏なのに?とは思っていたのだけれど、そういう点でも、彼がいてくれてよかった。正しく悔いる者は、きっと報われるはず。

もちろんタゴンには心から付き従っているけれど、存在を知ってしまってはウンソムのことも捨てきれないだろうし、もしかしてもしかすると、ウンソム側に寝返る、なんて展開もありそう。

2期以降も動き多そうなキャラクターなので、楽しみです。

 

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ねぇ、ここ気になりませ~~~~~~ん?!アタシの乙女センサーがビービー鳴ってます、ここ!!!!

異種間交流?大好きです、そういうの。

ネアンタルの村が襲われた時に鉢合わせたところで、「おや?」と思ったのだけれど、期待通りのいちばん好きな展開にしてくださって、ありがとうございます。

別れ際が結構あっさりしていたのも、逆に良かった。いつかは訪れる別れだったものね、ずっと覚悟はしていたのかもしれない。

この2人が死に別れるまでのお話、外伝的な感じでほしいです。そんな、1時間とかじゃなくてもいいので、5分でいいので。よろしくお願いします。

 

 

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そんな感じで、まさかの7,000字超えでした。ここまでお付き合い、ありがとうございます。

 

そして、お気付きでしょうか。そう、これは「感想(前編)」です。

ということで、後編も書きます。

ご安心ください、「サイコ~」の二の舞はしません。

今は1期の余韻からようやく片足抜けて、もうすぐ始まる、全世界待望の2期へのワクワクドキドキで栄養摂って生きているので、その期待やら妄想やらをめいっぱい詰め込んで書こうと思います。

そんな「アスダル感想(後編)」、お時間よろしければ、また是非。

「ヴィンチェンツォ」感想

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「悪と闘う法廷モノかぁ…全然好みではないんだよな…」と思ってたんだけど、面白いという話をやたら聞くので、1話を観た。

全然法廷モノじゃないやないかい。

面白かったです!!!!!

ので、いつも通り感想をば失礼致します。長いよ。

 

※一部、完全なネタバレと、ヲタク特有の激重感情を含みます。お気を付けて。

 

 

 

ダークすぎるダークヒーロー

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「悪を裁く悪」と聞いて、「あぁ、義賊的なヤツかぁ~まあよくあるわな~」とか思ったのだけれど。

そんな甘っちょろいモンじゃなかった。

もしかしたら、彼の中に、人間的な善悪の線引きは、そもそも存在していないのかもしれない。善いか悪いかは、彼の判断基準ではなく、自分の利になるか否か。それだけ。そこが義賊とのちがいのように思う。

だからこそ、決して“悪い人”ではない。

いっそ首尾一貫としているし、迷いもないし、下手な善人よりずっと頼りになる。味方なら。

そんな印象を受けたキャラクターだった。

 

正直、「このキャラクター設定なのに、ソンジュンギさん…?」とは思った。

100%東洋産のその童顔で、イタリアのガチマフィア相手に上り詰めただなんて、ちょっとファンタジーすぎないか?

と、思ったのだけれど。

観始めると、確かに、柔らかいお顔立ちだけれど、どこか影があるというか、目が笑ってるようで笑ってない感じが、キャラクターにぴったりだなと感じるようになった。あの目はちょっと怖い。西洋人にはないタイプのポーカーフェイスだと思う。

それにしたって、ほんっと童顔…と思ってたんだけれど、頭取メロメロ作戦(言い方)の時は、急に年相応に見えた。それでも可愛いかったけど。

 

イタリア語の上手い下手は、自分にはあまりわからないけれど、ブチギレるとイタリア語でまくし立てるのはすごい好き。

イタリア語って、本当に歌うようにしゃべるんですねぇ。オペラがイタリアで発展したのも、わかる気がする。

 

ポーカーフェイスとはいえ、やっぱりこういうキャラは、仲良くする気なんてなかったのにいつの間にか…っていうのが醍醐味だよなぁと、ひしひしと感じた、クムガファミリーとの関係性

ここに来なかったら、彼らと出会わなかったら、悪いやつを煽るためにプールでバタ足なんてしなかっただろうし、霊媒師の振りなんかして頭にお花飾ることもなかったんだろうなぁ。

嫌だ何だと言いながら、割りと楽しそうで。

 

ところで、チャン兄弟以外みんなずーっと「ビンセンチョ」って呼ぶから、うつっちゃったじゃないか。どうしてくれる。

 

 

お前何なん

※序盤の大ネタバレを含みます。5話まで到達していない方はお気を付けて。

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いやもう…ほんと………何なん????(何なん)

 

初見で、

「ワー!ガタイが良くて身長もあって髪ふわふわでにこにこのワンコだー!大型犬だー!わーい!」

と思った気持ちを返してほしい。

いやごめん、ウソです。そのまま持って行ってくれ。一生返さなくていいよ。

 

まあ、何の役に立つキャラでもないのに、クレジットは上位だし、役者はビッグネームだし、やたら顔は見せてくるし、何かあるなーとは思っていた。

彼が本物の会長でーす!と言われても、その時点ではまだ「あぁ〜なるほどね〜」程度だった。よくあるっちゃよくある展開だし。

 

何って、あの狂気でしょう。

えっ……………何なん????(リプライズ)

サイコ犯罪者の多い韓国ドラマ界隈だけれど、彼はその中でも、ずば抜けて特級のサイコだったと思う。

作中での言及通り。あれは人間じゃない、怪物

 

純度100%のサイコとあって、悲しい過去だとか「悪の理由」とか、そういう人間的なものが本当にないのも良かった。

不倫がどうのとか言ってたから、それが父親殺しの動機かと思いきや、全然関係ないし。彼にとって家族とか仲間とかは、愛もなければ恨みもしない、ただの「それ」でしかないのでしょうね。

いちばん鳥肌だったのは、あまりにも唐突な「中学と高校で、同級生を4人殺した」だった。は…………?怖。

 

思ったんだけれど、これ、テギョンさんのファンの皆様はどうだったんだろう?

衝撃はもちろん大衝撃だっただろうけれど、ショックすぎて観られないって方もいそう…。そのレベルで振り切ってて素晴らしかった。

個人的には大好きです。大歓迎です。

推しがこんな、きゃあきゃあ言いながら人を殴り殺したり、目を真っ赤にしながらぼたぼた涙溢して相手を睨んだり、豚の血を頭から引っ被ったり…考えるだけでゾクゾクする。観たい、観たすぎる。いつかやってくれ。

 

ただ。

確かに、歴代稀に見るハイレベルのサイコで、強烈な存在だったのだけれど、それ故に、後半大人しくなってしまったのが惜しかった。

大人しくなったというか、大人しく感じるようになった

彼の狂気に慣れてしまった。

どんなにインパクトのあるものでも、ずーっと見てると慣れるんだよね。「あ、ここキレるな」って読めちゃうようになるし、表に出てきたことで、行動に制約も増えてしまったし。

すごい雑な言い方で申し訳ないけれど、正に「出オチ感」というやつ。

 

あと何よりも、闘う相手が悪すぎた。

これは後述します。

 

っていうか、自分の命は結構大事なのかぁ〜〜そうかぁ〜〜。

純度100%のサイコなら、命乞いとか見たくなかったなぁ。一気に凡人になってしまった。そこまでも振り切ってほしかった。

最後の瞬間まで、サイコでいてほしかったなぁ。

 

 

というわけで、前半では「お前だよ」大賞の筆頭株だったのだけれど、後半にいくにつれ、惜しくも失速してしまった。

 

その代わりに。

爆速で追い上げてきて、栄えある(※ない)大賞を手にしたのは、この方。

 

 

「お前だよ」大賞

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お前だよ〜〜〜〜〜〜(滝涙)

お前だよ!!!!!!!!!!

 

※特級のネタバレと激重感情が含まれます。お気を付けて。依怙贔屓レベルで長い。

 

正直、前半はそこまで印象的でもなかった。

「おぉ、クァクドンヨンさん今度は悪役かぁ!」と思ったくらいで。

兄ちゃんにいいように使われてるのも、あぁなるほどって程度だったし、

影で「チキショー」って言ってたのは、なるほどここも対立するのね、とか思っただけ。

 

あれです。

滝行(言い方)の直後に、ヴィンチェンツォを見て笑った時。

あそこで「あれっ」と思って。

後日の「ヴィンチェンツォに会いたい」で、「うわ!!!!!!!」しました。

「そっちか!」と。

てっきり、兄弟は兄弟でバチバチやって、あくまでそれはそれ、対ヴィンチェンツォとは別軸の、三つ巴的な感じになるかと思ってたのだけれど、いや、自分の心が汚かったわ。その手があったわ。

 

もうそこからは爆速で彼の存在感が増していって。こちらの内面にも浸透していって。

少しずつっていうより、結構急に明るい面を見せてくるのがまた……。そっか、これが本来の君だったんだね。

 

一緒にホッケーやってさァ〜〜〜うれしそうに1人で滑ったりしてさァ〜〜〜。何あの可愛いの、聞いてないんだけど???

「빈이형」って…(滝涙)

彼はずーっとこういうのに憧れていたんだなぁと、兄さんに、認められるとか会社を任されるとかじゃなくて、ただ普通の「兄さん」を感じたかったんだなぁと思えて、本当に辛かったし、良かったねぇと思った。

だって、異母兄弟とはいえ、大金持ちのお坊ちゃんとはいえ、呼び方が永遠に「형님」て。そりゃ気が休まらんわ。

 

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心を開いていけばいくほど、彼がいかに「普通の人間」かが浮き彫りになっていった。

大きな組織の上に立つ人間って、どこか常識外れというか、時には道徳や倫理を蹴らなくちゃいけないこともある(もちろん、法を犯さない程度、が大前提で)それが出来るかどうか、が、正にこの道における「才能」だ。彼にはそれがなかった。

「僕はただ、普通に会社を運営したいんだよ」としきりに言っていたのも、人としては至極真っ当だけれど、あの会社、あの家でそれが出来るだろうかと言われると、なかなか頷き難い。

こう言っては悪いけれど、彼は本当に、生まれる家を間違えられたんだなぁと、ただただ気の毒になる。

「兄のせいで気を病んで薬物依存になった」という過去の、何と悲しいこと。

きっと、兄さんのせいで学校では敬遠されていただろうし、友達なんて出来なかっただろうし、日常的に暴力振るわれても、親も何もしてくれなかったんだろうな、というところまで考えられてしまって、余計に悲しい。

 

法廷でヴィンチェンツォの隣に座った時がたまらなかった。

会長というでかい「椅子」を蹴って、彼は、クムガファミリーたちと並んだ、本当の兄さんの隣の小さな「椅子」を選んだ。

あぁ、やっと居場所が見つかったんだね…。

ファミリーのみんなは、まあしばらくはネチネチ言うだろうけれど、でもきっと彼を受け入れてくれる人たちだし、これから빈이형の隣で勉強して、何か、今まで思いもよらなかった分野の才能が目覚めるかもしれない。

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(ビハインドが尊すぎて余計無理しんどい)

 

だから、死ぬなよおおおおおおおおおおお(滝涙)

そりゃ序盤から、「怪物に殺されそうランキング」トップ3入ってたけどさぁ〜〜〜あの時と今は違うじゃああああああん!!!

トドメのアレですよ。

잘했어, 내 동생.

泣 か す な!!!!!!!!(滝涙)

내 동생て………내 동생て………泣くわこんなん!!!!!

もう、最期に何が出てきても泣くしかなかったけれど、よりにもよって「ありがとう」を連呼するもんだから、余計情緒がズタボロになった。30年前後の人生の、ほんの一瞬だったけれど、最後の最後に、本当にうれしい時間だったんだね。

 

ただ、冷静に考えれば、なるべくしてなった最期なのかなぁとも思う。

あのまま生き残ったとして、操られていたとはいえ当事者には間違いないので、ある程度(それも決して少なくはない)の責任は免れないし、彼の性格を思うと、兄の悪事のすべてを隠し通していくことなんてできるだろうか。もし兄の本性が露見すれば、「あの兄貴の弟」として見られて生きなくてはいけない。

負って然るべき責め苦だけれど、「責任取って帰って来い!な!」と送り出してあげるには、彼はちょっともう全身ぼろぼろすぎる。

何より、빈이형と一緒にいられないしね。

そう思うと、この結末は、彼にとっては救いだったのかもなぁなんて思う。

 

とにかく、最近観た中で、いちばん感情移入した、いちばんの激重感情が生まれてしまったキャラクターだった。来世は絶対に幸せになってほしい。

そしてもう、認めざるを得ないでしょう。

クァクドンヨンさん、好きです。

(「サイコだけど大丈夫」感想後編も併せてどうぞ)

 

 

さて、ここからは、今作のちょっと惜しかったポイントの話。

 

 

ヴィンチェンツォ強すぎ問題

これです。

ちらっと前述したけれど、とにかくヴィンチェンツォが強すぎる。

 

ただ、これは脚本が悪いとか、構成としてどーなのとかいうことではなく、そらそうなる案件なわけで。

だって、マフィアなんだもん、彼。しかも下っ端とか新入りとかじゃなくて、界隈ではある程度有名な凄腕。

なぜ現在、イタリアがマフィアの王国になっていないのか、支配されていないのか。それは、これまでの闘いの歴史を踏まえて、マフィアとの共存の仕方を探し出し、絶妙なバランスの上で成り立っているから。(もちろん、明日崩れるかもしれませんが)

韓国にはそれがない。マフィアの扱い方なんて知るはずもない。

言うたら、「イタリアから来たマフィア」という設定の時点で、もう誰も勝てないことが確定している。

それが、ハラハラドキドキ感にブレーキかけてしまったかなという印象。

 

肉体的な強さだけならまだしも、頭まで良い。

敵側にしてやられたか…!と思ったら後々、

「実はその数時間前、ヴィンチェンツォが手を回していて…」

みたいなパターンがあまりにも多すぎる。っていうか、ほぼ全部。

彼が予見できなかったのって、母ちゃんのことくらいでは?(むしろそれ、いちばん警戒できただろ…とは思うけれど)

ハンソクのサイコっぷり然り、「ヴィンチェンツォすげぇ」も、そればっかひたすらに見せられると、慣れてきちゃう。

 

 

負けを自覚していないのか問題

前述の通り、彼がマフィアであるという時点で、マフィアとは無縁に生きてきた敵側の皆さんに勝ち目などない。ので、ありとあらゆる方面でボロクソに負けてしまうのは、ある種仕方がないこと、なんだけれど。

 

それなのに、なぜそんなでかい態度が取れる???

「ヤツはあなたが思うより残酷だぞ」だの、

「これがヤツの本来の姿だ」だの、

脅してくれる人はちらほらいて、それ相応の仕打ちを受けてきたにも拘らず、なぜそこまで余裕綽々でいられるのだろう。

 

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特にお前な、チェ・ミョンヒ。

襲われたらヒィヒィ言うし、他人の失敗(半分くらいはなすりつけ)にはギャンギャン喚くくせに、作戦は尽く破られて?全部攻略されて?

ちゃんと成し遂げたことと言えば、超序盤の父さん殺しの命令くらい?あと何が成功したっけ?負けすぎてて忘れた。

それなのに、永遠にでかい態度取り続けているのが謎すぎて…。彼女がそういう姿勢でいればいるほど、敵陣営が安っぽく見えてきてしまって、何か行動を起こしても、「どうせ破られるやろ」という風にしか思えなくなっていった。

 

元トップ検察官とは何ぞや。せめて、法律のとんでもねぇ使い方してくるとか、とんでもねぇ抜け穴見つけてくるとか、せめて法律屋らしい手段で1回くらい勝ってくれよ。

でないと、ハンソクが彼女を重宝する理由が全く見つからない。

こんなに役立たずなのに何で一緒にいるの?真っ先に殴り殺されそうだけど。対外関係的にも、殺しても特に悪影響ないし。

 

そもそもチェ・ミョンヒ、キャラクター以前に、人として本当に嫌いなタイプすぎて、悪役だからとかじゃなくて、最後まで本当に嫌いだった。

(もしそれを狙ってお芝居されてたのだとしたら、完全に自分の負け。参った。嫌いです)

 

てか、ごめん。別件なんだけれど、最後、ハンソク出てきたのはどういう手段だったん?その過程は詳細省かないでよ。急にファンタジーすな。

 

 

他にも、

「後付け設定多すぎやろ」(「俺は元看護師だ!」はさすがに笑ってしまった)とか、

「ヴィンチェンツォのフラッシュバックは何だったん」とか、

「まだ餌もあげてない内から鳩が懐くかい」とか、

まあちょっとしたツッコミはあるけれど、本筋にはあまり関係のないことなので、ここまでに留めておきます。

 

 

 

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そんなわけで、楽しませていただきました!

たまにはこういう、ファンタジーとはちがう意味でちょっと現実味はないけれど、エンタメに極振りした現代物もいいですね。

 

そう言えばこれ、来月ミュージカルやるんですよね。日本で。

派手な戦闘とか作戦とか多いから、ミュージカルには結構向いてると思う。

ただ、ただでさえ1話1時間半弱なのに全20話もあるのを、(休憩を差し引いて)最大でも3時間が限界だと思うんだけれど、どうするんだろ…。

ちょっと興味はある。

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(この辺、キャストさんそっくりでびっくりしちゃった。特にピアノ院長、激似で本人かと思った)

「サイコだけど大丈夫」感想(後編)

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なるべく早く、とは何だったのか。10日経ちました。時間って早いんだなぁ。

それでは、後編です。

 

7/14 言い訳タイム

言いたいことはいっぱいあるのだけれど、どう書いても、あまりにも個人的な思想が強くなってしまうのと、物語本編の話から、長々と脱線してしまうので、一旦この状態で公開してしまいます。

本当はもっと書きたいのですが。これ以上まとめに時間をかけても、視聴の記憶は薄れていっちゃうし…。

また上手くまとまったら、後日追記しようかと思います。

 

 

 

三者三様の「子供」

この作品のメインテーマとして、「大人になれない子供」が、1話からどーんと提示されているが、それが全くの三者三様っぷりで面白かった。

 

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早くから自分が大人になるしかなく、なまじ“振り”が上手くなりすぎてしまったがために、中途半端な大人になってしまった、ガンテ

自分で成長する機会を早々に奪われ、奪った相手は無責任に消え、子供のままで生きる術しか知らず、それでいいとすら思っていた、ムニョン

大人として生きるにはどうしてもコントロールが難しく、必然的に子供のように生きるしかなかった、サンテ

 

ただ、この物語は決して、この3人を「大人にさせる」物語ではなかったと思う。

3人が、穴ぼこだらけの粘土細工だったとして、

穴に粘土を詰めてあげる必要はあるけれど、

穴ぼこで不格好だからって、全体の形を思いっ切り変えてしまうのはちがう。それじゃあ別物になってしまうから。

個人的には、作品を通して、大人になるということと、子供でなくなるということとは、イコールではないのだなということを感じた。

そこが、この作品のもつ「優しさ」の一端なのかなと思う。

 

 

あまりにも印象的すぎた3話ラスト

もうこれが。これがあまりにもすごくて。凄まじくて。

ここで一気に引き込まれた。

 


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(5:05辺り~)

 

演台での暴露も印象的だったけれど、個人的に心を刺されたのが、その後。

マイクを固く握りしめて、適当な節を歌いながら、夕日をバックに、踊るように跳ねるように暴れ回る姿。その笑顔。

 

何て苦しい「自由」なんだろう、と。

彼は今、ものすごく自由で、言うなれば「復讐」を成し遂げて、視聴者としては爽快に感じてもいいほどなのに。

なぜか、スカッとはさせてくれない。

大勢が彼を「見ている」中で、「僕を見てよ」「僕のことを見てよ」と歌い続ける虚しさ。どれだけ大衆の注目を浴びようと、誰かに憐みを与えられようと、いちばん「見て」ほしい人たちは、本当の意味では、彼を「見ていない」。

その証拠に、大衆たちは呆然と彼の演説を見ている(もしかしたら、その中のいくらかは彼に同情しているのかもしれない)けれど、家族は全員、彼を止める方に動いている。

(※もし家族の誰か、1人でもちゃんと見ている人がいたのなら、クローズアップされていたと思うので、「いなかった」のだと解釈しています)

 

そして、そんな悲痛な彼の叫びとは裏腹に、あまりにも美しく煌めく夕日。

韓ドラの「光の演出」がすごく好きだというのは、「オハル」でも感じたけれど、ここでもやっぱり、「光」が最高すぎた。

 

ガンテ視点では、1つの「憧れ」の姿として描かれている場面で、もしかしたら視聴者的には、良い印象のシーンだったのかもしれないけれど、

個人的にどうしても、晴れやかに見ることができなかった。

ガンテは彼に「自由」を見出して、憧れていたけれど、彼の自由は本当に「自由」なのだろうか。

「不出来だから」という理由1つで、家族に殴られて、無視されて、隔離されて。遂には本当に精神を病んでしまって。

その上で得た自由を、本当の「自由」と呼べるのだろうか。

 

この後母親にビンタされても、

「愛されてるってわかってたら、痛くないモンだよ」

なんて笑っていたけれど、それも、彼が「精神を病んでいる」という事実のせいで、どこか腑に落ちないというか。言ってしまえば、思い込んでいるだけにも見える。

(※この辺はちょっと、個人的に「家族」というものの「尊さ」みたいなのを、あまり感じていない人間なのもあって、穿った見方をしているかもしれません)

いろんなタイプの患者さんエピソードがあったけれど、彼が群を抜いて辛かった。

 

あまりにも印象的なシーンだった。

これを超えるものは、しばらく観られないんじゃないかと、真剣に思うほどに。

 

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クァク・ドンヨンさん、お顔を見た時は、「あ!『サムマイウェイ』のクソ彼氏だ!!!」という最悪な印象が飛び出してきてしまったけれど、本当にすんませんした。

紛うことなきイケメンの部類なのに、この役よく引き受けたなぁ。

でも、めっっっっっっっちゃくちゃ良かった。まだお若いのに、すごい役者さんだ…!

もうクソ彼氏の残像は消えました。これからは、アダムとお呼びします。

(てか、彼も「涙の女王」出るんだね!俄然楽しみ!!!)

 

 

印象的すぎる子役たち

そもそもがハイレベルな、韓ドラ子役勢だけれども、本作では子供の頃の体験が大きな役割をもつため、ただの「幼少期役」ではなく、1人のキャラクターとして、かなりの比重を任されていたように感じた。

それでも、大人俳優陣に全く引けを取らず、印象的な幼少期を見せてくれていた。

 

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この子の目が。目がすごい、本当に。

まず目の形とか色とか、その時点で完成されていたと思う。おぼろげで、そこを見ているようで見ていないようで、ちょっと怖さすら感じるのだけれど、でもどこか魅力的で、つい魅入ってしまうような。

いっそ、人間じゃない何かをも感じる。

これは持って生まれたものの上に、本人が、その使い方をよくわかっているのだろうなという印象だった。

めちゃめちゃ美人さんだし、特にこの雪景色が似合うこと。この、雪原に佇む彼女の画だけで、何か1つ物語が出来そう。

 

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とにかくお見事でした、ちびガンテくん。

「僕は僕のものなんだ」「兄さんのために生きるなんてイヤだ」「兄さんなんて死ねばいい」

と、顔をぐちゃぐちゃに歪ませて泣き叫ぶ場面。胸が痛まずにはいられなかった。

聞けば、既に売れっ子の有名子役さんなんですね。納得。

 

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本役のオ・ジョンセさんも大好評だったけれど、幼少期の彼もすごく良かった。

笑顔が本当に明るくて屈託がなくて。それが余計に、ガンテをもやもやさせるんだよなぁとも思ったり。

 

 

 

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(このポスターがいちばん好き~!素敵~!!)

 

そんなわけで、「サイコだけど大丈夫」、めちゃめちゃ楽しませていただきました。

視聴開始までかなり躊躇ったけれど、結果的には、観て良かったです。

 

日本のドラマは何年も観てないし、他の国のドラマもほとんど観たことがないので、比較はできませんが、

韓国ドラマはこういう、穏やかな人間ドラマが本当に上手いなぁと思います。

あと、スリラー・ホラー系の大胆さもすごいと思う。観たことはないけど。怖いのやだもん。

「サイコだけど大丈夫」感想(前編)

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遂に、観ました。

 

名作だという話は十分に聞いていて、「いやこんなん、ハマらんわけない」ということも十分にわかっていたのだけれど、

テーマがテーマなだけにちょっと怖かったのと、単純にヒロインが好きになれるか不安だったのもあり、ずっと観られないでいた。

のだけれど、何か突然スイッチ入って観ました。

 

結果、名作でした。

 

元々話長くなるヲタク気質なのに、いつにも増して文量が凄まじくなってしまったので、

軽めの前編、重め?の後編で、2回に分けようと思います。

それでも1回が長いです。

 

※なるべくネタバレは避けますが、完全回避は出来ませんので、お気を付けて。

 

 

キム・スヒョン氏 芝居巧すぎ問題

この作品の前だと、自分は、「星から来たあなた」をチラ見した程度なので、

キム・スヒョンさん、ほぼ初めましてレベル。

でもこの1回でわかった。

この人、すごい。

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もちろん、「キャラクターが合っている」というのも勝因だけれど、何と言うかこれは、「合っている」だけでは済まない気がする。

「合っている」どころじゃない。

「そのもの」。

1話だけでもそう感じるほどでした。

 

患者さんや兄さんにかける優しい声がほーんとに優しいし、春の陽射しみたいに微笑むし。

…なんだけれど、そんな自分を、本心では全然納得できていないのがよくわかる。心の芯はカチコチに固まっているのが、よーくわかる。

反面、後半になって、ひたすた抑えていた「子供のまま」の部分が出てくると、本当に少年みたいな笑顔を見せたり、本心のままにむすっと嫉妬したり。

ガンテはそういう、絶妙な表情や感情表現が多かったと思うのだけれど、どれも「やってる」感が一切なくて、ものすごく自然だった。

 

キム・スヒョンさん、一気に好き俳優さんになりました。

これからの新作の中で、「涙の女王」がいちばん面白そうだなーと思っていたけれど、俄然楽しみになりました。

しかもお相手がキム・ジウォンちゃん!しかも夫婦!楽しみすぎ。

 

それにしても、ピョルクデと言い、今作と言い、

厄介な女に異様に懐かれる星の下に生まれたのか?マジお疲れ様です。

でも幸せなら、オッケーです。

 

ところで、自分は海外作品は、国を問わず専ら字幕派なんだけれど、

彼(特にこの役)の吹き替えが小林親弘さんなのは、めっちゃ「ああ〜〜〜」した。わかる。

 

 

「ギリギリ」のヒロイン

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そう、あなた。

自分の視聴意欲をずっとぐらつかせていたのは、あなたです。

やっぱり、メインキャラクターを好きになれるかどうかは、継続して観られるかどうかに直結すると思う。

「共感できない」だけならまだしも、一度「嫌い」になってしまうと、映るだけでもやもやするし、どんなに本筋が面白くても耐えられない。

彼女はそれになってしまう匂いがぷんぷんした。

 

のだけれど。

お、お、お、おま〜〜〜〜〜!!!!!

このド真ん中ヒロインめ!!!!!!!!

 

思いっ切りぶち抜かれてしまったのが、7話ラストのここ。

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ここの、びっくり顔から微笑みへの変化が秀逸すぎた。

変化がものすごーーーーーーく微妙で、ほんとに少しだけ、口の端が動いたかな?みたいな、アハ体験もびっくりな微細な変化なのだけれど、

今までのどこの場面よりも、美しくて優しい顔をしている。いや、こんなん観ててときめかない視聴者いるの???

個人的には、ガンテに本当に惹かれるようになったのも、ここなんじゃないかなと思ったりする。

それまでも好きだなんだ言うてたけれど、ちょっと上っ面感というか、身体の芯から「好き」を実感してはいない感じがあったし。

 

そして中盤以降は、最初の頃からは想像もできないような、お目々三日月になるくらいの笑顔をいっぱい見せるもんだから、

思わず「かっ、可愛い…」って声出たよ、チキショー。可愛いです。

 

とにかくキャスティングが大正解。

あの低い声も、ちょっと肉感漂わせてくる感じも、コ・ムニョンというキャラクターの立体感を増し増しにしていたと思う。

 

そんでファッションも、ンま〜〜〜楽しい!最高!目が楽しい!

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(この2着がいちばん好き)

そしてプロポーションが2次元。常にウエストが行方不明。

ガンテが頬に手を添えた時、思わず、「顔ちっっっっっっっさ!!!!!」って声出た。ガンテもちっっっっっっさいけど。

 

ンま〜〜〜ソ・イェジさんご本人に関しては、いろいろあったみたいだけれど…。

コ・ムニョンには何の罪もないし、ドラマの放送自体に悪影響がなかったことを安堵するばかりです。

(推しが激務で撮った初ドラマ・初主演作が、相手役の黒い噂でおじゃんになりかけた、というかほぼなったようなもん、なヲタクより)

 

 

兄は強し

何を置いてもやっぱり、兄さんでしょう。

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いや〜〜〜〜素晴らしかった。素晴らしかったとしか言いようがない。

助演男優賞でしたよね、確か。素晴らしかったです。

 

正直、この作品の出来は、「兄さん」から直結していたと思う。

いくらキム・スヒョンが巧くても、ソ・イェジがぴったりでも、「兄さん」がイマイチだったら全部台無し。下手な感動の押し売りみたいになりかねない。

かと言って、彼だけが飛び抜けていてもいけない。

この作品は、言うたら、「騎手も馬も最強の騎馬戦」って感じ。騎手は戦闘力高いし、馬は上で何が起きても絶対ぐらつかない屈強さだし。そりゃ負けへんわ。

 

こういうデリケートな特徴のあるキャラクターって、やろうと思うと結構躊躇すると思うし、怖い部分の方が大きいと思うんだけれど(確か、パク・ウンビンさんもそういう理由で、「ウ・ヨンウ」のオファーを何度か断っていたとか)

かと言って、行き過ぎたリスペクトみたいなものを盛り込まれるのも、ちょっと違うなと感じてしまう。

オ・ジョンセさんのサンテは、そこが良かった。

両方の意味で、やりすぎていなかったと思う。

 

やっぱり前半の方は、視聴者としても「兄さんを守ってあげなきゃ」と思ったし、ガンテが何かを行動する時に、「兄さんは?兄さんはどうするの?」と気になってしまった。

けれど後半、「3人家族」になってからの兄さんは、誰よりも強かった。

もうそんな心配をする必要はなかったし、ガンテが苦しんでいると、「いや、兄さんが決めてくれるな、ここは」という確かな安心感すらあった。

 

 

温かみ満点のサブキャラたち

他の作品と比べると、やや弱い感じもしたけれど、決して比重が軽いわけではなく、良い意味で「サブ」に徹してくれていたと思う。

 

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ジェスヤ〜〜〜〜〜(滝涙)

良いヤツすぎるよ、ジェスヤ…!

彼は一体何なんでしょう…。ちょっと不思議なくらいムン兄弟の傍に着いていてくれるし、それでいて出しゃばりすぎることもないし、「優しい」だけで片付けるには優しすぎるよ、ジェスヤ…!

3人と同じくらい、あなたの幸せを願っています。幸せになれ。

 

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ちょっと幸薄そうなお顔が絶妙な2番手感で、初見から「あぁ…かわいそうに…」と思ってしまった、ジュリ

その顔で、たまに影なんか見せるもんだから、まさかまさかの黒幕…?とか思ったりしたけど、普通に幸薄いだけの子だった(失礼)

いやたぶん、彼女にはガンテは重すぎるんだと思う。彼女がすごく真面目だから。真面目で優しいから、きっと全部分かち合おうとするし、背負ってあげようとする。でもそれだといつか、彼女自身が壊れてしまう

だからこそ、「とりあえずやる!突き進む!泥水?いいでしょう!飲みます!!!」みたいなイ代表の方が、きっと彼女には良い癒やしになるんじゃないかな。幸せになれ。

つい最近、主演作配信始まりましたね!あの「イカゲーム」の続編にも出られるみたいだし、ハッピーヒロインになれる日もそう遠くなさそう。ご活躍が楽しみです。

(ずーっと思ってたけれど、夏帆ちゃんにそっくりだよね)

 

ダメオジなのかデキオジなのか、1人でその間を行ったり来たりしてるのが面白かった、イ代表

リアルな塩梅での「悪い人じゃあないんだけどね~」という人の印象。経営者として、お金のこと、世間の目ももちろん気になるけれど、長年一緒にいたムニョンへの情も捨てきれない。

視聴者としてはちょっとモヤッとするけれど、でも実際、こうなるよね、そりゃ。

是非これからは、ジュリとおばさんの尻に敷かれていただいて。その辺ビシバシ舵取っていただけることでしょう。

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個人的には、髭ありの方が似合ってると思います。

って言うか、「別にかっこよくない」みたいな言われ方されてましたけど、十分イケオジですよね????

 

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スーパーごめんなんだけれど、作中唯一、最初から最後まで好きになれなかった、君(名前も覚えてない)

絶妙に間が悪いし、絶妙に空気が読めない。読もうという努力も感じない。

せめて、誇りをもってお仕事頑張ってる描写とかあったら、もう少し好感もてたと思うんだけれど、別にそういうワケでもなく…。パワハラ一歩手前な代表もだいぶアレだとは思うけれど…ウーン、でもこれは確かにイライラするわ。

このレベルでしか仕事出来ないのに、上司を一方的に悪く言うのも、ちょっと…自分のこと棚に上げすぎやろ。

上司が店のテーブルに何か置いて出て行ってたら、それが何かわからんくても回収するだろ、普通。何で放ってお前も出て来るんだよ…顧客の個人情報とかだったらどうするんだよ、社会人2日目か???

なーんか、ジェスとどうなるのー?みたいな空気になってたけれど、いや〜〜〜俺たちのジェス、あなたにあげるのはちょっと………。逃げろ、ジェス。

 

 

秀逸すぎるラスト

今まで観た中で、いちばん幸福で救いのあるラストだったと思う。

全部持っていかれた。文字通り、全部。

 

ここまでで「兄弟の絆」を、紆余曲折盛り込みながら、見事に描いてきた物語は、

最後の最後に、ガンテを「弟」ではなく「兄をもつ1人の人間」にしてあげることで、幕を下ろした。

それも、全く無理のない形で。

だってサンテは、自分の意志で離れたわけですし。

離れたからといって、もう前ほど心配する必要もない。ジェスも代表もいるし、おばさんもジュリもいる。彼らだって、もう立派な「家族」なんだから、家族のところへ行くことに心配なんかあるはずがない。

そこで、いちばんやりたかったこと、これからもやりたいことが出来るのだし、サンテにとっても、これはいちばんのハッピーエンドと言えると思う。

 

もう二度と会えないわけじゃないしね。

いつでも会える、だって兄弟なんだもん。

 

ガンテとムニョンにしても、良くも悪くも似た者同士なので、癒やし合いつつ、ケンカしつつ、上手くやっていけるでしょう。

全く、何の心配も感じない。

「運命」ともちょっとちがう、自分はこの2人の相性は、「傷の舐め合い」と表せると思う。

これ本来はすごく悪い意味で使われがちだけれど、自分はそんなに悪いこととは思わない。舐め合いできるほどの相手がいるって、すごいことだ。

誰にも触れられず、一生自分で舐めるしかない虚しさに比べたら、完治せずとも、必要な時に癒やし合える相手がいることは、ずっと幸運だと思う。

 

あのまま、「3人で、いつまでも幸せに暮らしました」でも十分満足だったのに、まさかそう来るとは。

びっくりしたけれど、「衝撃」よりも「納得」だったなぁ。

改めて、すごく良い畳み方だった。

 

 

 

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(このキャラクター、ティム・バートン風味でめちゃくちゃ可愛い。クレイアニメなのもすごく良い)

 

というわけで、前編はここまで。

後編は、個人的なお気持ちマシマシになると思うのでアレですが、ご興味あれば、ぜひ。

なるべく早く書けるように頑張ります。

「明日」第13話 感想

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レディース エーン ジェントルメーン!

ようこそ、言論の墓場へ。

 

ここは、韓国ドラマ「明日」で、日本に於いてとってもとっても大問題になった、

第13話 春

について語る場、もとい、この回への怨念が棲まう森です。

 

あくまで、件の分野の研究者でもない一般人の感想でしかないので、「考えすぎじゃない?」な部分も多々あるとは思います。すまんな、そういう性格なんや。

気に入らない部分があれば、どうぞ回れ右でお願い致します。世の中にはこんなヤツもいます。

 

また、本記事の大大大前提ですが、

これは作品そのもののストーリー展開をボロ雑巾にしてやろうという回なだけであって、

役者さん方や、本筋のストーリーの作成には無関係な分野の制作の方々に対しては、何の不満も文句もありません。

意見は言いたいだけ言いますが、悪口を言うつもりはないし、アンチは絶対にしません。

それだけは、固くお誓い申し上げます。

 

 

というわけで、

大不満ぶちまけ大会、始まるよ〜!

口悪いし、言葉も選ばないし、ネタバレも配慮しないぜ!よろしくゥ!

 

 

 

史上最強レベルの露骨さ

観る前にネットの反応を見ていて、どういう内容かも大方把握していたので、実は、特別ショックとか衝撃とか、逆に大きなガッカリとかもなかった。

それはそうなんだけれども。

 

ただ、思ってたより3倍露骨だった。

露骨すぎて、いっそ笑ってしまった。

 

以前、別のドラマで、東北地震津波映像が、コメディシーンで面白半分に使われていて、ちょっとした騒ぎになったのを覚えている方も多いだろう。

ああやって「匂わせてくる」ことは、他にも何度かあっただろうけれど、ここまで露骨なのは聞いたことがない。(※日本統治時代を主題に扱っている作品は除いて)

逆に度胸あるなぁと、感心すらする。

相当お嫌いなようで。

 

 

ムカポイント その1:作品の「利用」

正直、「慰安婦」という問題そのものに関しては、自分はちゃんと勉強できていない部分の方が多いので、あまりとやかく言うつもりはない。

あったのかなかったのか、実態がどうだったのか。延々言うてますけれど、双方譲る気は一切ないし、譲ればそれはそれで面倒なことになるし、だからもうどうせ解決しないでしょう。それくらいに思っている。

 

と言うか、自分がこの回に憤っているのは、その真相云々のことじゃない。

自分がせっかく楽しんで見ていた作品が、誰だかしらんのお気持ち表明のために「利用された」ということ、だ。

 

この回が、原作にあるのかどうかは知らないし、

オリジナルだとしても、監督、脚本、プロデューサー、制作会社などなど、ストーリー制作に携わる人々の中の、誰がこれをねじ込んだのかはわからない。

ただ、その中の誰かがこの筋書きを提示し、それを周りの人間が、全世界に向けた電波に乗せることを承認したのは確実なわけだ。

それだけで、十分に共犯だ。

(※役者さん方やストーリー制作に絡まないスタッフさん方は、基本的には渡された脚本をそのままやる、ことが仕事であり、よっぽどのことでない限り、本筋を覆すようなことは出来ない、言うたら「駒」としての役割の方が強いので、考慮から外しています)

 

まあ、こんな露骨な脚本を作り上げる人たちだし、むしろ「全世界に我々の悲劇を知ってもらおう!」の方のノリだったのかもしれませんけれど。

それならそれで、がっつりそこをメインテーマにして別で作品を作ってくれよ。

毛色のちがう作品の中に、安易にねじ込むな。

日本に遊びに来たイタリア人をイタリアンに連れてっといて、「日本のイタリアンもなかなかでしょ?」と言っておいて、それでもどーーーーーしても日本食食わせたいからって、寿司持ち込むバカおるか?????

 

 

ムカポイント その2:作品テーマのガン無視

「遠回しな言い方ばっかりで謝罪をしない」

「ちゃんと謝罪がほしい」

「連中が謝罪する姿を見るまで死ねない」

おそらく、この回で制作陣は、この台詞を言わせたかったのだろう。

「凄惨な過去をもち、志半ばにして、老衰によって命を終えていく老婆」という、わかりやすく「かわいそう」な人に、これを言わせて憐れみを誘い、トドメに、善良で清い心持ちの主人公(しかも今が売り時の超イケメン役者)に、

「この悲劇を、僕たちは絶対に忘れません」

と言わせて、任務完了。

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視聴した、主人公と同世代の若者が「自分も」と思ってくれたら、完璧。

 

果たして、それはこの作品でやらなきゃいけないことなのだろうか。

 

確かに、拒食回やワンコ回など、展開が微妙だった回は他にもある。

だとしても、内容はちゃんと一貫していた。

「自殺志願者身近な悩みで生死の間の思考を彷徨う)に会って、その理由を突き止め、『本当は生きたい』という思いを掬い取り、思い留まらせる」

この流れはちゃんと踏んでいて、作品の主旨通りだった。現代を生きる我々に、国籍を問わず、訴えてくるものはちゃんとあった。

 

そんな中で、この回だけものすごく異質だ。浮いている、どころじゃ済まないレベルで浮いている。

それは、この回の目的=制作陣が見せたいものが、「自殺を救う物語」ではなく、ただの「日本への文句」だったからだ。

物語のスタートは、いつも通りだったけれど、割と序盤で、危管チームたちと老女の間で、自殺願望云々はどうでもよくなってしまっている。

 

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っていうかこの婆さん、ほんとに自殺なんて考えてたんか???

ってくらい、導入が薄い。

これまでの自殺志願者たちの壮絶さと比べたら、驚くほど緊張感がないし、自殺という究極の選択肢に対する意識が薄い。アプリに引っかかるくらいネガティブ度高いのに、ケロッとしてるし。

つまり、彼女の「死にたい」は、この回においては「道具」に過ぎず、決してメインイベントではないのだ。

それってすごい冒涜的じゃないです?これまでの回の志願者たち、もとい、現実的に自殺を考えるほど苦しんでいる人たちに対して、究極的に失礼だと感じるのは自分だけでしょうか。

(まあ、見た目だけじゃわかんねぇだろ、人それぞれだろって言われたら、それまでなんですけれども)

 

 

ムカポイント その3:全部雑

最大にイライラするのは、物語が、このお気持ち表明ばかりに重点を置きすぎているために、その他のことがすべて、かなり雑に構築されていることだ。

 

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お前だよ。

今回は、超悪い意味で。

 

いや、急に「あたし、ユニ!久しぶり!」とか言われても…………。

あの、伏線って知ってる???

まさか、引導チーム長との「あの時はお世話になりました!」「チーム長を世界一尊敬してます!」が伏線のつもりだったん?バカなん???

 

自分が脚本なら、彼女には最初から手袋かグローブをさせて、

ジュヌン「何でずっと手袋してんの?」

彼女「アッ…ちょっと今手荒れ酷くて〜アハハ〜」

ジュヌン「マジ?ハンドクリーム貸したろか?見せてみ?」

彼女「大丈夫です!!!!!」

みたいな下り入れるし(手か腕かに入れ墨あったよね)

ジュヌンと、寒いね〜とか言ってた時に、「昔お気に入りのマフラーがあって〜」みたいな話させたり、くらいはした。

王道でもベタでも、これが「伏線」ってモンでしょうよ。見え見えでもいいんだよ、別に謎解きがメインじゃないんだから。

つか、あのタイミングであのマフラーしてるの何なん?突然どっから出てきたん?空から降ってきたんか????

せめて、「前世で大事だったものを1つだけ保管しておける場所がある」みたいなトンデモ都合良し設定でも何でもいいから、影をさァ!影を!チラつかせろ!匂わせろ!嗅がせろ!

 

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ジュヌンも実は因縁がある、って話も、めちゃくちゃ唐突。

いっそ、ジュヌンがユニの生まれ変わりだったって方が、面白かったと思うんだけれど。むしろ自分は、途中までそうだと思ってたのに、悪い方向に裏切られました。

たぶん、彼を「ヒーロー」にしたかったんだろうナ~。まあ主人公ですし、善いヤツですし、今をときめくイケメンですしネ~。ハイハイ。

この後二度と登場しないし役に立つでもない、とってつけた感満載の設定。本当に必要だったか?

 

そんな感じで、全部雑。

伏線張る技術がないとかじゃなくて、そもそも張る気がないのが丸わかり。

そりゃそうだよね、だって大事なのはそこじゃないし。言いたいことさえ盛り込めれば、細かいことは別にどうでもいいんだよね。

 

視聴者ナメすぎ。

 

この一言に尽きます。

 

 

 

とりあえず思いつく限り、言語化できた不満は以上です。

いやぁ、創作物にここまで侮辱されたと感じたのは久々でした。日本人としてではなく、一視聴者として。

逆に、観といて良かったかもしれない。

 

展開があり得なさすぎたり、芝居が下手だったりで、駄作とか凡作とか、そういう言われ方をされる作品・回は、他にもあるでしょうけれど、

愚作と呼べるのはこのくらいじゃないと、という基準を教えてくれた貴重な回でした。

Netflixsでの再生回数がどのくらいなのかは知りませんが、炎上商法という意味では、成功しているのではないでしょうか。少なくとも、日本に於いては。

自分も、「慰安婦云々はあんまり気にせず~」と言いましたけれど、日本人じゃなかったら、ここまであれこれ鼻につかなかったかもしれませんね。

 

ま、もう二度と見ないので、どうでもいいです。

 

 

 

ところで、こんな不快感を全部丸ごとすっ飛ばしてくれる、素晴らしい作品を観終えたので、

次回はその感想を書こうと思います。